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Effects of Plant Decomposition and Soil Respiration on CO2 in the Atmosphere via Global Temperature Changes

M. Nishioka, Curr Res Env Sci Eco Letters 1(1), 01-12, 2024 Based on the following results, we conclude that changes in plant decomposition and soil respiration due to global temperatures primarily control global CO2 cycles. The impact of CO2 emissions … Continue reading

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Changes in Temperature and CO2 Concentration Induced by El Niño

M. Nishioka, Sci Rep J. 2:192 (2023)  Figure 1 Correlation between temperature and ENSO index during 1979-2022. Temperature (°C, red line): 13-month average of lower troposphere anomaly values by UAH with scales on the left. ENSO index (blue vertical lines): two-month … Continue reading

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温暖化の科学の出発点3

- CO2のkinetics 氷床コアの分析からも示されるように、地球の温度は数十年、数百年をかけてゆっくりと高低を繰り返してきた。温度の変化とCO2の変化はある程度呼応している。どちらかが原因で他方が結果かも知れない。80万年前まで遡れる周期的な温度変化の要因はまだ明確ではない。そうした中、現代の温暖期にだけ科学的な証拠もなく、400 ppmのCO2濃度変化に温暖化の原因を特定化するのは科学的思考の飛躍である。 今年に入って、大手の三つの銀行が破綻した。オンラインによる取り付け騒ぎである。デジタル時代の預金の取り付けという意味で「デジタル・バンク・ラン」と言うそうである。50年前の1973年に大阪で、豊川信用金庫に対する取り付け騒ぎ(豊川信用金庫事件)があった。ことの始まりは、電車内での女子高校生のたわいない一言だったそうだ(朝日新聞「天声人語」(5/9/2023))。愛知県の豊川信用金庫へ就職が決まっていた一人に、もう一人が「信金は危ないわよ」と冗談をとばす。真に受けた当人から親戚へ、その知人へと話は広がり、夫婦が営むクリーニング店に流れ着いた。店番中の妻が、多額の現金をたまたま下ろそうとしていた人と出くわした。「うわさは本当だった」。もう止まらない。得意先に電話をかけまくった。うわさやデマで一部の人々がパニックに陥ったのである。「CO2による人為的な温暖化仮説」を見聞きしていると同様のパニックが起きているように思える。「科学ではなく回りの空気で動いている」のである。その空気を作り出しているのがIPCCにほかならない。 これまで、下図に示すようにCO2は地球からと地球への放出と吸収プロセスからなることを整理してきた。そしてこれらのプロセスは温度に依存している。地球の温度が上がると放出プロセスによるCO2の量が上昇し、大気中のCO2濃度が上がる(thermally-induced CO2)。逆に、地球の温度が下がると、放出プロセスによるCO2の量が減少し、大気中CO2濃度は下がるのである。 Fig.1 地球上のCO2の吸収と放出の温度依存性を表す模式図 主要なCO2の放出と吸収プロセスは下図で示される。植物は、CO2を固定するが、朽ちた葉などは数年以上かけて分解しCO2に戻る。温度が高いほど分解速度は速い。前にも述べたように、大気中のCO2の約1/3は動植物の分解からで、2/3は海から放出される。海からの放出も温度が高いほど増える。人間の燃焼によるCO2 は、約4%のみである。 Fig.2 主要なCO2の放出と吸収プロセス 陸地は地球の約30%を占め、陸地の30%が森林である。森林は、地球全体では約10%である。亜寒帯林は北半球では北緯50度から70度に広がっている。南半球では南アメリカの南端などにみられる程度である。下図で示すように、人工衛星からの測定結果によるCO2濃度の分布と森林分布は良く対応している。 Fig.3 森林面積の分布図 Fig.4 人工衛星からのCO2濃度の分析結果(NASA, 2010) 地球上の生物体(バイオマス)は有機物質と水で構成される。下図は地球上のバイオマスの分布を示したもので植物が主要なバイオマスであることがわかる。バイオマスは植物を中心に食物連鎖でつながる。各生物体は空気が存在する好気的分解ではCO2を発生する。そしてCO2は、植物の光合成で有機物として固定化され炭素サイクルを形成する媒介となる。大気中を拡散、移動できるCO2が気体でなければ炭素サイクルまたは生物サイクルは成立しない。従ってCO2は生物サイクルにおいて自然界が与えた非常に重宝な物質と言える。前回述べたように、CO2濃度が高いと光合成の速度が増すので生物サイクルの速度が増すことにつながる。現代の温暖期においては、衛星観測で示されているようにここ数十年(1982 ~ 2010 年)にわたり地球の緑化がみられる(Ref.)。「CO2の追肥効果」による緑化と考えられる。 Fig.5 地球上のバイオマス分布 その非常に重宝な物質である大気中のCO2濃度を変えるのは陸の緑と海、そして数十年から数百年にわたり変化する温度である。緑は光合成と植物の分解に関係し、広大な海はCO2を溶解してバッファーの役目を果たす。温度変化は分解と溶解速度を変化させる。 Fig.6 緑と水で覆われた地球 自然界の CO2 の放出速度と吸収速度は、CO2以外のガスが相互作用しないものと仮定すれば、CO2 発生源の濃度また大気中の CO2 濃度に比例するものと近似できる。そうすると CO2 の吸収速度は典型的な一次速度式で表され、CO2 の濃度の経時変化が決められる。すなわち、               (1)                  (2) k は定数であり逆数が滞留時間 τ である。C0  は初期の CO2 濃度である。この式は、14C の吸収速度の結果から確かめられた。自然の CO2 … Continue reading

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意味ある温度変化の表示とは?

190年前(1833年)関東、東海地方では大雪となったらしい(Ref.)。明治維新が157年前だからそれほど遠くない昔である。下図は、歌川広重の「東海道五十三次 / 蒲原夜之雪」でその年の作品である。蒲原は、駿河湾沿いのほとんど雪の降らない土地である。しかし、現代でも時折り関東、東海地方で2月頃南岸低気圧が通り過ぎるタイミングで、上空が相応に低温であれば雪が降る。「蒲原夜之雪」とあるので夜に低気圧が通り過ぎたのかもしれない。この地区では非常に珍しい雪景色だったのでこの浮世絵を描いたとも推測できる。   Fig.1 歌川広重:東海道五十三次 / 蒲原夜之雪 この年、1833年、は江戸時代の四大飢饉の一つ、天保の飢饉が始まった。飢饉は1837年まで続いた。主な原因は大雨による洪水や冷害による大凶作であった。天保の飢饉により、各地で百姓一揆が多発した。大坂でも米が不足し、1837年の大塩平八郎の乱につながった。1830年代は全般的に気温がやや低かったようである。14世紀半ばから19世紀半ばの間は比較的気温が低かった期間で小氷河期(little Ice Age)と呼ばれる。これら1833年の出来事は小氷河期の最後の出来事である。 1683年の冬はテムズ川が二か月間、約 30 ㎝凍り付いたという。テムズ川の凍結は小氷河期の代表的な出来事として良く挙げられる。全面凍結は非常にまれな出来事ではなく現代でも見られる現象である。因みに下の写真は1963年の出来事である。 Fig.2 凍り付いたテムズ川(1963年) オハイオの州都コロンバスの中央を Olentangy 川が流れる。冬には日中でも氷点下の日が一週間続くことが 1、2 度ある。そのような時はテムズ川ほどではないが、川が全面凍結する。 Fig.3 大部分は凍り付いているが、流れのある川の水面で羽を休めるCanadian Geese (2/24/2015)  グリーンランドと西にあるバフィン島に、1000年前後、バイキングなど北欧の人々が住みついた。そして、小氷河期が始まる1400年頃に村は捨てられた。下の写真は教会跡で、アイスランドで見つかった記録によると1408年9月に最後の結婚式がこの Hvalsey 教会で行われたとある。新郎はノルウェーからやってきた交易船の船長、新婦は地元の娘であった。1450~1500年頃には流氷が増えたこともあってグリーンランドと他の地域の連絡は全く途絶えてしまった。その後カップルはアイスランドへ移住したらしい。10世紀から14世紀にかけての温暖な時代は中世の温暖期(Medieval Warm Period)として知られている。 Fig.4 グリーンランド南部の Hvalsey 教会跡 この地はグリーンランドの南端に位置し、アイスランドより南にある。アイスランドの北端が北極圏で、首都のレイキャビクがアラスカのフェアバンクスと同緯度になる。内陸にあるフェアバンクスの冬の方が Hvalsey よりもはるかに厳冬である。厳冬のフェアバンクスでも1902年に始まったゴールドラッシュで人が住み着いたのである。   Fig.5 Hvalsey Church … Continue reading

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気候はいつも変動してきたのでは…?

IPCCとその支持者達は、気候変動が最近顕著になっていると主張し、人為的に増加しているCO2のせいだという。しかしそれを裏付ける統計データを見たことがない。大雨が降った時、山火事が続く時、高温の時、台風が続けて来る時、死んだサンゴ礁が多く見つかった時など、IPCCとメディアがこぞって「気候変動」だ「CO2を減らせ」と騒ぐのである。 気候変動というのはいつの時代にも起きてきた。アメリカでは1930年代に何度か熱波が観測されている。1934年は、アメリカでは近年で最も暑い年の一つであった。その前後数年、グレートプレーンズでダストボールと呼ばれる砂嵐が頻発した。熱波に加えて人為的な影響が大きかったとも言われている。第一次世界大戦後、農家は利益を得るため、土地は過剰にスキ込まれ草が除去された。肥沃土は曝され、土は乾燥して土埃になり、それが東方へと吹き飛ばされた。離農する人々が増え、多くの土地が捨てられた。こうした耕作放棄地が乾燥し、さらに砂嵐の発生源となった。   Fig.1 大きな砂嵐が西部の小さな町を襲おうとしている 子供のころ大きな台風被害のニュースが頻繁にあった。昔はインフラストラクチャーが今より整備されていなかったのだろうと思っていた。しかし、データを拾ってみると(Table 1&2)、1950±10年に被害が多く、しかも中心気圧も低い台風がそのころ多かったことがわかる。砂嵐、台風といった気候変動がCO2とは関係なく起きてきたのである。 Table 1 台風の被害ランキング Table 2 日本史上最強の台風ランキング 以前述べたように、アラスカの州都ジュノーから北北西 20 kmのところにメンデンホール氷河がある。1700 年代半ばの時点で、メンデンホール氷河は最長の前進点に達し、それ以降後退して行く。その変化のデータが良く残されている。CO2の濃度上昇が顕著になる前の1700年半ばから氷河の後退は始まっている。氷河の後退は、CO2による影響というより自然サイクルによる小氷期の終焉のためだと考えられる。 地球表面には太陽エネルギーが降り注ぐが、曲面が均等に暖められるわけではない。自転の影響もあり地球表面には貿易風、偏西風、極東風が吹いている。また地球表面の70%を占める海は不均等な表面温度と風の影響で東西、南北に大きく流れている。風の強さは常に一定ではないし、海底の地形も複雑であるから海流の強さは変化する。従って、水の熱容量が大きいこともあり、水の惑星地球は表面温度に偏りが出てくる。当然気候変動と密接な関係があるはずである。 太平洋の熱帯域では、貿易風の東風が吹いている。そのため、海面付近の暖かい海水が西側へ吹き寄せられる。インドネシア近海では海面下数百メートルまで暖かい海水が蓄積するという。東部の南米沖では、深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上ってくる。このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなる。 良く聞く気象用語にエルニーニョ現象がある。東部の低い海面温度が平年より高くなる現象である。地球全体としても温度が上がる。逆に、同じ海域で温度が平年より低くなる時がありラニーニャ現象と呼ばれる。地球の温度も下がる。ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなるという(気象庁)。この二つの現象は数年おきに発生する。エルニーニョの前後にラニーニャが発生するることが多い。 下図に示すように、南北の海流の動きを巻き込んだ地球規模の「全球規模熱塩循環流」が知られている。その循環のうち、大西洋だけで循環する流れを「大西洋熱塩循環流」と呼ぶ。 莫大な熱を運ぶため気候に大きな影響をおよぼすほか、「大西洋数十年規模振動」のメカニズムの基盤だと考えられている。30~40年おきに寒冷化と温暖化をくり返す。 Fig.2 大西洋を起源とする全球規模の熱塩循環流 太陽による地球表面の不均衡なヒーティング、大気の不均衡な動きによる風、全地球上の海水の大きな循環、海水の不均衡な流れ、地球の自転などは気候変動に及ぼす主要な因子として考えられる。つまり、気候変動はCO2とは関係なく起きて来たし、現在もそうである。 昨年の夏は暑い暑いと言うニュースが流れていたら、今年の冬は世界各地で寒いようである。エルニーニョ、ラニーニャの傾向を表す指数の変化は下図のようになる(エルニーニョが赤、ラニーニャが青)。このグラフは、現在ラニーニャが2,3年続いていることを示す。日本の寒波、大雪にも影響があったのかも知れない。 Fig.3 ENSO(El Niño/La Niña Southern Oscillation) 指数 1979年以降人工衛星で地球表面の温度測定が継続されているが、その結果が下図のようである。ラニーニャに伴い気温が最近下降気味である。なお、付け加えておくと、1997年のエルニーニョの時に高温になったが、それ以降、25年間地球温度は横ばいである。 Fig.4 UAHの人工衛星による温度実測値 (UAH: The University of Alabama in Huntsville) … Continue reading

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温暖化問題 – 重箱の隅をつつく

自宅の近くにイリノイ大学 (University of Illinois at Chicago: UIC) のシカゴキャンパスがある。自宅周辺はシカゴのダウンタウンに近く散歩するのも大都会の中なので緊張感がいる。しかし、大学 (UIC)のキャンパスだけは緑も多く車を気にする必要もない。散歩するのには良いところである。 Fig.1 イリノイ大学キャンパスの一角(2022/8) その大学(UIC)のフェイスブックのアカウントにSustainability at UICというグループがある。2015年9月の国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)が採択された。そのSDGsにならって温暖化問題を中心に環境保護のために行動をしようということらしい。 先日このサイトに次のような主張があった。”クリスマスツリーを一般ごみと一緒に処分すべきではない。一般ごみは埋め立てられ、分解して温室効果ガスのメタンを発生する。温暖化に対してメタンはCO2よりも影響が大きい。だから、クリスマスツリーは粉砕してマルチにすべきだ。そのための市が決めた場所に捨てよう。” この主張を読んだ時、随分と「重箱の隅をつつく」話だなあと思った。なぜかを説明するために、温暖化とCO2の因果関係を整理しておきたいと思う。詳細は全てこのブログで以前述べてきたことである。 Fig.2 廃棄されたクリスマスツリー Fig.3 マルチの例 整理-1 IPCCの地球上の炭素バランスによると全炭素のサイクル量が150 Gt、そのうち光合成に関与している炭素が60 Gt、残りの90 Gtが地球上のCO2の放出、吸収に関与している量である。90 Gtのうち化石燃料の燃焼で排出されるCO2は炭素換算すると5 Gtである。従って、人為的に排出されるCO2の量は、全炭素サイクルの約3% である。 整理-2 光合成で固定されたCO2起源の炭素60 Gtは究極的にはCO2またはCH4に微生物で分解される。莫大な量であるが、太古から延々と続いている自然サイクルの一環である。空気が存在する好気的分解ではCO2に、空気が制限された嫌気的分解ではCH4になる。タンパク質などの窒素を含む生物体の分解ではN2Oが発生する。 整理-3 主要な大気中の温室効果ガスは、H2O、CO2、CH4、N2Oである。大気中の濃度はH2Oが数%、CO2が数百ppm、CH4が数百ppb、N2Oが数百ppbである。従って、温室効果はH2Oによってコントロールされ、CO2の影響は小さい。さらにCH4とN2Oの効果は無視できる。 整理-4 微生物による分解では、CO2の発生量は温度に依存する。温度が高いほど分解速度は速い。人工衛星による観測によると、熱帯の方が工業地帯よりCO2濃度が高い。微生物による分解速度が速いためである。 整理-5 気温の変化から10ヶ月遅れて大気のCO2濃度が変化する。エルニーニョ現象がおきると地球の温度が上がるが、2015年のエルニーニョの時にCO2が熱帯地方で増加した。氷床コアの分析でも、温度変化から1000年余り遅れてCO2が変化している。また、氷床コアの分析で、CH4も温度変化に追随して変化していた。 … Continue reading

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自然放出と人為放出のCO2

温度と CO2 の相関関係を考える上で、大きな誤解があるものと思われる。 CO2 の発生源についてである。今も増え続けている CO2 は、その全てが燃料を燃やして発生した人為起源の CO2 (anthropogenic CO2) だけではない。これまで述べてきたことを整理すると次のようになる。 炭素サイクルの質量バランスにおいて人為起源の CO2 は 5% 以下である。 人為起源以外の 95% 以上の CO2 が自然サイクルに関連する。 温度と CO2 濃度には相関があるが、温度変化が先行する。 温度変化は CO2 の正味の変化(たとえば一年ごとの濃度の増減)と良い関係がある。 温度が上昇すると自然サイクルによる CO2 の放出が増える。 これらの事実に基づくと、人為起源の CO2 が地球を温暖化しているということは誤りになる。地球上には下の写真で示すように動植物で溢れる。最初の写真は昨年訪れたアリゾナ、フェニックス近郊のサボテン公園、そして次の写真は多くのカナダ雁が凍った川面で休んでいるところである。 Fig.1 Cactus Park in Scottsdale, AZ (10/28/2021) Fig.2 凍った川の水面で羽を休めるCanadian Geese (2/24/2015) これらの生物体は、発生してもいつか死滅、分解して生物体として平衡状態を保つ。この分解過程は日々の生活の中では目立たないので、大した量ではないと思うかもしれない。しかし、成長する植物と同量の朽ちた植物が分解していくのである。IPCC の炭素バランスを見てみると、循環している炭素のおよそ … Continue reading

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大気中のCO2による赤外線吸収は吸収の上限に近い

温度とCO2濃度は相関関係がある。どちらかが卵かニワトリである。19世紀末に Tyndall と Arrhenius が提唱して以来、 CO2 が増減して温度が変化するという概念が受け入れられてきた。これを国連組織の IPCC が強く主張するに至り、ほとんどのメディアおよび国の機関が追随するという図式が確立している。しかし、下図で示すように何十万年という長い期間温度が周期的に変わってきたのだから、現代の温暖化もその周期の一過程なのかも知れない。温度は太陽エネルギーの変化等で変わるが、CO2 が自然に周期的に変化してきたとは少々不可解なことである。 Fig.1 南極のアイスコアサンプルの解析から得られたCO2と温度の変化 現在の CO2 による温暖化の概念は、そもそも 1896年 の Arrhenius による指摘に基づいている。彼により、 CO2 の赤外線吸収の特性とそれによる温暖化の可能性が、論文 (Phil. Mag. 41, 237, 1896) で報告された。 Fig. 2  Arrheniusの論文 一方、当時の標準教科書、”Physics of the Air” (W. J. Humphreys, 1929, McGraw-Hill) の 564 … Continue reading

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大気中のCO2 濃度は温度で決まる

以下は、Murry Salby の講演の一部からまとめたものである。なお、彼の 2011-2019 年の講演のYouTobeリストを下記に示す。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLcApr99OxQEQPI11K0iaZBaL8Bwu5mduT (list) https://www.youtube.com/watch?v=sGZqWMEpyUM (2016) https://www.youtube.com/watch?v=b1cGqL9y548 (2018) https://www.youtube.com/watch?v=6xwGwSy5BYE (2019) 化石燃料から排出されたCO2の増加速度は2002年前後で350%上昇したが、大気中のCO2の濃度変化は、2002年前後を通し約2.1ppm/yrで一定であった。これは人為的に排出されたCO2の地球上の全CO2の濃度に与える影響が小さいことを示す。 Fig.1 また、下図で示すようにCO2排出量の変化速度(CO2の年間濃度変化率:緑の破線)は温度変化(青の実線)と良い相関がある。 Fig.2 従って温度変化に関係する定数をγとすると、CO2の濃度変化速度は次式で表される。               (1) すなわちCO2濃度は次式のように温度の積分値で決まることになる。温度がCO2濃度で決まるのではなく、CO2濃度が温度で決まることを意味する。             (2) これを裏付けるのが、CO2濃度と温度変化の時間的推移である。氷床のコア分析からCO2と温度の変化は下図のようになる。緑の破線がCO2の濃度変化で青の実線が温度変化である。   Fig.3 CO2濃度と温度変化には良い相関があるが、両者には1500年のずれがあった。すなわち温度が変化して1500年後にCO2濃度が変わってきたのである。 上記で示したようにCO2濃度は、温度という地球表面の状態(surface conditions)に関係づけられる。一方、炭素中に1.1% 含まれる同位体13Cの濃度変化は温度変化とは逆の関係になる。   Fig.4 150年の期間においても13C 濃度は温度の上昇と伴に減少している。これは、上記の結果と合わせて大気中のCO2濃度上昇が温度変化という自然サイクルにより支配されていることを示す。 Fig.5 人工衛星によるCO2の測定によると、高濃度のCO2はアマゾンのような人が余り居住していないところで、また工業地帯ではないところで観測されている。総じて、大気温度が高いところである。これもCO2濃度が主に温度によりコントロールされていることを示す。   Fig.6 まとめると、 1.  CO2濃度の変化速度は、大気の温度と良い相関がある。 2.  CO2濃度は大気の温度により決まる。 … Continue reading

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温室効果は大気とCO2の両方が必要

温室効果がないときの地球の表面温度は約‐18℃である。しかし、実際には約15℃でありその差が温室効果と言われる。気温が15℃というのは、大気の構成成分の窒素と酸素が約15℃に相当する運動エネルギーを持っていることを意味する。因みに、上空ほど大気の密度は小さくなる。従って大気の運動エネルギーは上空ほど小さく、温度は低くなる。 以下NASAのデータをもとに太陽エネルギーバランスを考える。太陽エネルギーの30%は地球で反射され70%が地球圏内に達する。70%のうち19%が雲、水蒸気、エアロゾルを含んだ大気で吸収され、51%が地球表面に達する。51%のうち30%が地球表面を暖めたり、水(海)を蒸発させたりするのに使われる。残りの21%は表面から反射される。反射した電磁波は入射した電磁波よりエネルギーが低く、この場合は赤外線の領域である。21%のうち6%が直接地球圏外へ出てゆく。15%が赤外活性物質に吸収されて大気の運動エネルギーを増加させる。 赤外活性物質は、3原子以上からなる分子で、大気の場合多くがH2OそしてCO2がそれに続く。赤外線を吸収してエネルギーが高くなった分子は大気の分子と衝突するなどして大気分子の運動エネルギーを上げる。   S.入射太陽エネルギー: 100% A.大気によって反射される分:6% C.雲によって反射される分:20% D.地球表面で反射される分:4% R.雲と大気から宇宙空間に放射される分:64%   B.大気に吸収される分:16%   F.雲に吸収される分:3%   G.熱伝導と上昇気流による分:7%   H.水蒸気の潜熱(蒸発熱)によって雲と大気に運ばれる分:23%   K.大気に吸収される地球からの放射分:15% E.地球から直接宇宙空間に放射される分:6% L.陸と海に吸収される分 従って温室効果ガスと言われるH2OとCO2だけでは地球の温度は変わらないし、大気の主要成分である窒素と酸素だけでも十分暖まらない。大気にH2OとCO2 が含まれていることが必要である。  下図に大気圏に突入前と突入後の太陽のスペクトルを示す。電磁波が赤外領域でH2OとCO2により吸収されることがわかる。 (http://denkou.cdx.jp/Opt/PVC01/PVCF1_4.html) 地球表面から放出される電磁波のスペクトルとの比較は下図で示される。放出される赤外線の青い部分は大気で吸収されずにそのまま出ていく。大気の窓と言われる。大気の窓より波長の長い領域にH2OとCO2の吸収域がある。KiehlとTrenberth は大気の窓から出ていく赤外線を入射光の約10%と見積もっている。上記の地球から直接宇宙空間に直接放射される分6%もほとんどが大気の窓から出て行く量と思われる。その場合は上記のバランスによると、現在以上にCO2が増えてもCO2のさらなる温室効果はないということになる。 http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Atmospheric_Transmission.png

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