気候はいつも変動してきたのでは…?

IPCCとその支持者達は、気候変動が最近顕著になっていると主張し、人為的に増加しているCO2のせいだという。しかしそれを裏付ける統計データを見たことがない。大雨が降った時、山火事が続く時、高温の時、台風が続けて来る時、死んだサンゴ礁が多く見つかった時など、IPCCとメディアがこぞって「気候変動」だ「CO2を減らせ」と騒ぐのである。

気候変動というのはいつの時代にも起きてきた。アメリカでは1930年代に何度か熱波が観測されている。1934年は、アメリカでは近年で最も暑い年の一つであった。その前後数年、グレートプレーンズでダストボールと呼ばれる砂嵐が頻発した。熱波に加えて人為的な影響が大きかったとも言われている。第一次世界大戦後、農家は利益を得るため、土地は過剰にスキ込まれ草が除去された。肥沃土は曝され、土は乾燥して土埃になり、それが東方へと吹き飛ばされた。離農する人々が増え、多くの土地が捨てられた。こうした耕作放棄地が乾燥し、さらに砂嵐の発生源となった。

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Fig.1 大きな砂嵐が西部の小さな町を襲おうとしている

子供のころ大きな台風被害のニュースが頻繁にあった。昔はインフラストラクチャーが今より整備されていなかったのだろうと思っていた。しかし、データを拾ってみると(Table 1&2)、1950±10年に被害が多く、しかも中心気圧も低い台風がそのころ多かったことがわかる。砂嵐、台風といった気候変動がCO2とは関係なく起きてきたのである。

Table 1 台風の被害ランキング

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Table 2 日本史上最強の台風ランキング

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以前述べたように、アラスカの州都ジュノーから北北西 20 kmのところにメンデンホール氷河がある。1700 年代半ばの時点で、メンデンホール氷河は最長の前進点に達し、それ以降後退して行く。その変化のデータが良く残されている。CO2の濃度上昇が顕著になる前の1700年半ばから氷河の後退は始まっている。氷河の後退は、CO2による影響というより自然サイクルによる小氷期の終焉のためだと考えられる。

地球表面には太陽エネルギーが降り注ぐが、曲面が均等に暖められるわけではない。自転の影響もあり地球表面には貿易風、偏西風、極東風が吹いている。また地球表面の70%を占める海は不均等な表面温度と風の影響で東西、南北に大きく流れている。風の強さは常に一定ではないし、海底の地形も複雑であるから海流の強さは変化する。従って、水の熱容量が大きいこともあり、水の惑星地球は表面温度に偏りが出てくる。当然気候変動と密接な関係があるはずである。

太平洋の熱帯域では、貿易風の東風が吹いている。そのため、海面付近の暖かい海水が西側へ吹き寄せられる。インドネシア近海では海面下数百メートルまで暖かい海水が蓄積するという。東部の南米沖では、深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上ってくる。このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなる。

良く聞く気象用語にエルニーニョ現象がある。東部の低い海面温度が平年より高くなる現象である。地球全体としても温度が上がる。逆に、同じ海域で温度が平年より低くなる時がありラニーニャ現象と呼ばれる。地球の温度も下がる。ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなるという(気象庁)。この二つの現象は数年おきに発生する。エルニーニョの前後にラニーニャが発生するることが多い。

下図に示すように、南北の海流の動きを巻き込んだ地球規模の「全球規模熱塩循環流」が知られている。その循環のうち、大西洋だけで循環する流れを「大西洋熱塩循環流」と呼ぶ。 莫大な熱を運ぶため気候に大きな影響をおよぼすほか、「大西洋数十年規模振動」のメカニズムの基盤だと考えられている。30~40年おきに寒冷化と温暖化をくり返す。

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Fig.2 大西洋を起源とする全球規模の熱塩循環流

太陽による地球表面の不均衡なヒーティング、大気の不均衡な動きによる風、全地球上の海水の大きな循環、海水の不均衡な流れ、地球の自転などは気候変動に及ぼす主要な因子として考えられる。つまり、気候変動はCO2とは関係なく起きて来たし、現在もそうである

昨年の夏は暑い暑いと言うニュースが流れていたら、今年の冬は世界各地で寒いようである。エルニーニョ、ラニーニャの傾向を表す指数の変化は下図のようになる(エルニーニョが赤、ラニーニャが青)。このグラフは、現在ラニーニャが2,3年続いていることを示す。日本の寒波、大雪にも影響があったのかも知れない。

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Fig.3 ENSO(El Niño/La Niña Southern Oscillation) 指数

1979年以降人工衛星で地球表面の温度測定が継続されているが、その結果が下図のようである。ラニーニャに伴い気温が最近下降気味である。なお、付け加えておくと、1997年のエルニーニョの時に高温になったが、それ以降、25年間地球温度は横ばいである

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Fig.4 UAHの人工衛星による温度実測値
(UAH: The University of Alabama in Huntsville)

気候変動はCO2とは関係なく起きて来たし、現在もそうである。気候変動がCO2の増加と共に頻度が上がっているという統計データはどこにもない。IPCCとその主張を信奉するメディアの扇動が大きいように思えてならない。

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Fig.5 1月24~26日の日本列島の寒波、新名神高速道路下りの甲賀土山インターチェンジ付近

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