トピックス (1)

01/20/2011


目次

● 温室効果のない時の表面温度 ● CO2 濃度と植物の成長との関係
● CO2が倍になる時の温度変化 ● CO2 の放出量と濃度の関係
● 人為的なCO2の排出量 ● 温度変化の規格化
● 温度変化が CO2 変化より先行 ● CO2 はどこまで増加可能か
● ツバルの海面変動 ● ホッケースティック曲線について
● 負のフィードバック効果 ● 再生可能エネルギー
● 準周期変動 ● 大気温度の分布パターン
● 暖かだった平安時代 ● バイオエネルギーか食料か
● 人工衛星による温度測定 ● 太陽の活動と温度
● IPCC の組織とレポート ● CO2 と氷河の後退、海面上昇
● 海水表面温度と大気圏温度の関係

● 温室効果のない時の表面温度

エネルギーおよび電磁波の放射に関する基本的な法則のひとつにステファン・ボルツマンの法則がある。「物体が放射するエネルギーは、表面温度の4乗に比例する。」というものである。

E=σT4 (Stefan–Boltzmann constant σ: 5.67×10-8Js-1m-2K-4)

定数は複雑にみえるが、量子力学的にも導かれる。太陽の表面積 S1 は太陽の半径を r1 (6.96 × 108 ())とすると 

S1 = 4 π r12 

    = 4 x 3.14 x (6.96 x 108)2 (m2)

    = 6.08 x 1018 (m2)

従って太陽表面のエネルギー E1 は太陽の温度を T1 (5780 (K))とすると

E1 = σT14 x S1 

    = 5.67×10-8 x (5.78 x 103)4 x 6.08×1018

    = 3.85×1026 (Js-1)

地球の地点における太陽エネルギーの密度 E2 (太陽定数) は、太陽と地球の距離を半径 r2 (1.5×1011 )とする球面の面積S2を考えて

E2 = E1 / S2

    = 3.85×1026 / (4πr22)

    = 3.85×1026 / (2.83×1023)

    = 1360  (Js-1m-2)

地球の単位表面積あたりのエネルギーはE2 に地球の断面積を掛けてさらに表面積で割ることにより得られる。従って、地球の半径を r3 、エネルギーの吸収率を 0.7 とすると、地球表面の温度 T3 は地球にステファン・ボルツマンの法則を適用して

E2 x (πr32) / (4π r32) x 0.7 =σT34  

1360 x 1/4× 0.7 = 5.67×10-8  x T34

T34  = 4.2×109

T3255(K)or -18 (C)  


● CO2が倍になる時の温度変化

銀行に元金 a を、利率 b x 年間預けると総額 yは複利計算で

y = a (1 + b) x

となる。これは

y = a e bx

で近似できる。なぜなら e が次式で定義されているからである。

地表で反射された電磁波の一部は CO2 により吸収されて CO2 分子のエネルギーを励起する。励起した CO2 は基のエネルギー状態に戻るまで電磁波を吸収しない。励起されていないCO2 により電磁波が吸収される。励起されていないCO2 は急激に減っていく。この吸収量と濃度の関係は複利計算の逆だが、同様の指数関数または対数関数の一次式で表される。

y = a e -bx

または

ln y = ln a - bx 

吸収量の代わりに透過量で置き換えると

            bx = ln a – ln y

これは化学の分光学でよく知られている Beer の法則で下のように示される。

Beers-law graph

http://brneurosci.org/co2.html

複利計算の場合、元金が倍になるのは

2y = a e bΔx or ln 2y = ln a + bΔx

すなわち

            Δx = ln 2y – ln y 

            Δx = (ln 2) / b

                   = 0.696 / (interest) or

       70 / (interest %)

70 年は doubling time と言われる。利率が 5% ならば 70 ÷ 5 = 14 なので、14年で元金は倍になる。人口の増加率が 2% ならば70 ÷ 2 = 35 なので、 35 年で人口は倍になる。細胞が繁殖する場合もこの doubling time で倍になる繁殖時間が計算される。同位体が崩壊する時も同様だがこれは減少して行く過程なので、0.696 を半減期で割れば半分になるまでの時間が求められる。因みに家のローンの計算も同様である。CO2 濃度と温度の変化の場合は、CO2による光の透過量で温度の変化が関連づけられる。透過量が半分になる(透過量(1/2)) CO2 の濃度の変化量(2 x conc))の関係

            透過量(1/2) = 0.696 / (2 x conc))

で与えられる。これを温度変化に置き換えたいのだが実測値がないので計算できない。しかし、言い換えるとCO2 の濃度が倍になる時の温度の変化は一定である。またはCO2 の濃度の変化を対数で整理すると温度変化は直線になる。

 CO2 の濃度が倍になる時の温度の変化は 0.51.0 ℃といった値のようだが、温暖化の人為説を唱える者と私のような自然サイクル説を信じる者では大分違うようである。  


● 人為的なCO2の排出量

 下図 IPCC 2007年のレポートからのCO2の年間のバランスである。

 

生物の腐敗などによる排出と植物の呼吸でトータル440 ギガトン(Gt)で、光合成による消費量とおよそバランスしている。海からの放出はトータル330 Gt 340 Gt が海に吸収される。さらに森林面積の減少、農作業の影響で6 Gt 放出される。また火山の活動で0.3 Gt 放出される。26 Gtが人為的な放出であり、人為的な活動によるCO2の排出量は非常に少ない。

次に Global Warming: A closer look at the numbers というサイトからのデータである。

温暖化ガスのうち CO2 の寄与は 3.618% である。CO2 のうち人間により生成されるのは 3.225% と見積もられる。従って、人間の活動で生成する CO2 の全温暖化ガスへの寄与は

'''0.03618 X 0.03225 = 0.117 %'''

となる。

整理すると下記のようになる。

水も温室効果があるが、効率は二酸化炭素ほど大きくない。しかし、量的には二酸化炭素による影響をはるかに凌ぐ。


● 温度変化が CO2 変化より先行

Carbon Emissions Don't Cause Global Warming というレポートから要点。

1985 年にサンプリングされた ice core のデータは 1985-2000 年に掛けて解析された。点の一つ一つが 1000 年のインターバルを示す低解析度の結果であった。2003 年に点の一つ一つが 200〜300 年のインターバルを示す高解析度の修正された結果が出た。それによると温度の変化が 800 年先行し、その後 CO2 が追従して変わることがわかった。

参考文献

http://icecap.us/images/uploads/Evans-CO2DoesNotCauseGW.pdf
http://www.brighton73.freeserve.co.uk/gw/paleo/400000yrfig.htm


● ツバルの海面変動

3 年前 NHK で放送されて、海面上昇により水没するかも知れないと有名になったツバル。あの番組では大潮の時の様子が映され、非常に深刻な事態だという印象を与えた。 CO2 により温暖化が進めばこの南太平洋にある島国はなくなるかも知れないと言う警告だった。しかし、実際の定量的な数値は示されなかった。

 

過去 100 年間、海面は僅かに上昇傾向にある。全世界の平均値は +1.7 mm/year である。ツバルの場合、オーストラリア政府により南太平洋の島々の一つとして、観察されている。 Bureau of Meteorology による 報告書 のデータは以下のようである。


直接計測の結果は +0.9 mm/year であった。これは上記の全世界の自然変化と同等である。


日本では気象庁地球環境・海洋部から海面変化の データ が得られる。


Web サイトは、 「ここ100年の日本沿岸の海面水位には、世界平均の海面水位にみられるような明瞭な上昇傾向はみられません。1950年ころに極大がみられ、また約20年周期の変動が顕著です。」 と言う。

 


● 負のフィードバック効果

温室化ガスは電磁波を吸収して、波長の長い電磁波を出す。一部が地球の表面へ反射される。反射された電磁波は永遠に表面に滞るのではない。いずれは宇宙へ逃げてしまうが、新たな平衡状態になる。しかし、電磁波が素通りするのに比べるとわずかな温室効果となる。数百 ppm の二酸化炭素の温室化効果は小さい。


小さな温度の上昇がより水蒸気を蒸発させ、水蒸気の変化または雲の変化がさらに温度を変える。これが、フィードバック効果と呼ばれる。シミュレーションでは、何らの定量的な裏づけなしにかなりの正のフィードバック効果が計算に見積もられているようである。この辺のアルゴリズムは素人の第三者には良くわからない。そもそも明瞭な説明なり論文がない。


アラバマ州の大学に Roy Spencer という教授がいる。元 NASA の研究員で衛星から温度の測定などの手法を確立した人である。大学に移ってからも NASA と DOE (Department of Energy) から研究費を受け気候変化の研究を続けている。


複数の衛星が地球表面の高度の異なる温度をくまなく測定している。地球表面の酸素から放出される赤外線を定量することにより熱の放射量が測定される。これを地球表面の温度とプロットすることによりフィードバックが正なのか負なのかがわかる。彼らのグループは 2000 年からデータを取り続けている。結果の一例を下に示す。


結果はフィードバックが負であることを示す。言い換えると温度により変化した水蒸気、雲は温度変化を打ち消す方向に働く。従って、IPCC のシミュレーションの結果には大きな疑問が残る。


参考文献:
1. http://www.drroyspencer.com/
2. http://www.drroyspencer.com/research-articles/satellite-and-climate-model-evidence/

 


● 準周期変動

アラスカ大学教授の赤祖父俊一氏の Notes on Climate Change というサイトは示唆に富んでいる。要点は、櫻井よしこ氏とのインタービューが文藝春秋にも掲載されている (『地球温暖化の詐欺を暴く』 (文藝春秋 2009 年 5 月号、pp.296-305)。 その中の一つの図を下記に掲げる。 ( 詳しくは 原報告 を参照 )



地球は 1800 年頃に小氷河期を脱し、暖かくなり出した。その傾向は 0.5℃/100 years であり、実線と破線の直線の傾きで示される。大きい変化に加えて準周期変動がありこの直線に沿って小さく変動する。これらは観測結果である。これらの結果を外挿すると右の破線に示す値が将来予想される。赤い点は現在の実測値である。


右上のピンクの領域で示すのが IPCC がシミュレーションで予想している範囲である。現在の実測値は、すでに IPCC のシミュレーションとはずれている。 2000 年以降は衛星で観測が始まり、平均の地球温度は上昇はしていない。


● 暖かだった平安時代

下の 過去2000年の温度変化のグラフ に見られるように、平安時代は全地球的に温暖だった。「桜の開花時期が早かった」とか「稲が豊作だった」とかの記録があるらしい。ヨーロッパではバイキングが大西洋を渡ってグリーンランドに入植したという。


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