大気中のCO2 濃度は温度で決まる

以下は、Murry Salby の講演の一部からまとめたものである。なお、彼の 2011-2019 年の講演のYouTobeリストを下記に示す。

https://www.youtube.com/playlist?list=PLcApr99OxQEQPI11K0iaZBaL8Bwu5mduT (list)
https://www.youtube.com/watch?v=sGZqWMEpyUM (2016)
https://www.youtube.com/watch?v=b1cGqL9y548 (2018)
https://www.youtube.com/watch?v=6xwGwSy5BYE (2019)

化石燃料から排出されたCO2の増加速度は2002年前後で350%上昇したが、大気中のCO2の濃度変化は、2002年前後を通し約2.1ppm/yrで一定であった。これは人為的に排出されたCO2の地球上の全CO2の濃度に与える影響が小さいことを示す。

fig1

Fig.1

また、下図で示すようにCO2排出量の変化速度(CO2の年間濃度変化率:緑の破線)は温度変化(青の実線)と良い相関がある。

fig2

Fig.2

従って温度変化に関係する定数をγとすると、CO2の濃度変化速度は次式で表される。

            eq1  (1)

すなわちCO2濃度は次式のように温度の積分値で決まることになる。温度がCO2濃度で決まるのではなく、CO2濃度が温度で決まることを意味する

          eq2  (2)

これを裏付けるのが、CO2濃度と温度変化の時間的推移である。氷床のコア分析からCO2と温度の変化は下図のようになる。緑の破線がCO2の濃度変化で青の実線が温度変化である。

 fig3

Fig.3

CO2濃度と温度変化には良い相関があるが、両者には1500年のずれがあった。すなわち温度が変化して1500年後にCO2濃度が変わってきたのである。

上記で示したようにCO2濃度は、温度という地球表面の状態(surface conditions)に関係づけられる。一方、炭素中に1.1% 含まれる同位体13Cの濃度変化は温度変化とは逆の関係になる。

 fig4

Fig.4

150年の期間においても13C 濃度は温度の上昇と伴に減少している。これは、上記の結果と合わせて大気中のCO2濃度上昇が温度変化という自然サイクルにより支配されていることを示す

fig5

Fig.5

人工衛星によるCO2の測定によると、高濃度のCO2はアマゾンのような人が余り居住していないところで、また工業地帯ではないところで観測されている。総じて、大気温度が高いところである。これもCO2濃度が主に温度によりコントロールされていることを示す。

 fig6

Fig.6

まとめると、

1.  CO2濃度の変化速度は、大気の温度と良い相関がある。
2.  CO2濃度は大気の温度により決まる。
3.  温度の変化がCO2濃度変化よりも先行する。

 下図はイギリス気象庁の1850-2011年の間の温度変化である。温度が上昇したのは、1920~1930年代と1980~1990年代の40年間のみである。両者の温度上昇速度はほぼ同じであり、2000年以降は温度の上昇が観測されていない。

fig7

Fig.7

全CO2濃度は温度により決まる。全CO2のうちの人為的なCO2排出量は、下図が示すように人口の増加とともに増えてきた。温度はCO2濃度で決まるものではないし、まして人為的に排出されるCO2とは相関がない。将来の地球上のCO2濃度を減らす目的で、人為的なCO2排出量を減らしてもCO2濃度は下がらず、また無意味である。

 fig8

Fig.8

This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>