疑似科学と温暖化問題

科学的に反証が難しい事象がある。「UFOは存在する」「ヒマラヤに雪男がいる」「幽霊はいる」 等等。反証ができないから科学的に正しいというのは、多くの場合偽科学、疑似科学である。その他に、マイナスイオン(空気) 、トルマリンの効用、酸性食品とアルカリ性食品、機能水(アルカリイオン水、高濃度酸素水)、活性水素、波動(オカルト) 等が、卑近な疑似科学としてあげられようか。

「過去 120 年、温度と CO2 濃度が近似的に上昇しているから、地球の温暖化が起きているのは CO2 が原因である。」と小学生でも推論する。地球が相手だから、反証はむずかしい。だから、温暖化の問題は偽科学、疑似科学と紙一重なので注意が必要である。

過去 120 年の温度変化は地球時間でみると一瞬である。温度変化を地球時間に広げて見てみると下記のビデオのようになる。3,000,000 年という時間のスケールでは -10℃ ぐらい地球は冷却している。現在から過去 420,000 年のスケールで温度変化の周期が見えてくる。過去 12,000 年ではその周期のうち温度が上昇した時である。その後半の 120 年が IPCC を初め多くの人々が問題視する期間である。

多くは地球温暖化とオーバーに騒ぎ立てるが、過去の温度変化は地球の温度変化のサイクル内である。もう一度 3,000,000 → 420,000 → 12,000 → 120 年の変化をビデオを見て頂きたい。

1985 年にサンプリングされた ice core のデータは 1985-2000 年に掛けて解析された。点の一つ一つが 1000 年のインターバルを示す低解析度の結果であった。 2003 年に点の一つ一つが 200〜300 年のインターバルを示す修正した結果が出た。それによると温度の変化が 800 年先行し、その後 CO2 が追従して変わることがわかった。ビデオの後半でこれを示す。420,000 年の結果が示す。巷で言う CO2 を原因とする説は再考を要する。CO2 の濃度の変化は、単なる結果の可能性が大きい。

CO2 は温暖化ガスである。しかし、水も温暖化ガスである。温室効果は CO2 より小さいが、水の惑星に占める量は CO2 とは比べものにならない。 CO2 は莫大な水への溶解、植物の呼吸および光合成を通して地球上を循環している。そのうち人間が寄与する量は微々たるものである。

素人を相手にするときに最初に納得させる方法は、「権威」を示すことである。温暖化問題の場合、IPCC という国連機関という「権威」を持ち出すのが通例である。これに、環境問題に対する「正義感」を訴えると、さらに納得させるには都合がよい。

アメリカに、英語と日本語の入り混じった「羅府新報」という日系新聞がある。かってロスアンゼルスを羅府と呼んでいた。インターネットが普及する前は、日本とを繋ぐ貴重なメディアだった。提携している毎日新聞の主要な記事出る。CO2が原因だとする温暖化の記事があったので、e-mail で証拠があるのかと問い合わせたことがある。丁寧に返事をくれたのだが IPCC という機関の説明と、その IPCC がこれこれの報告をしているからということであった。

IPCC の報告書は過去 120 年の温度変化にのみに焦点をあてる。さらに、報告書にはCO2 が原因であるという証拠を掲げていない。シミュレーションによる計算結果だけである。

「権威」と「正義感」が多くの人々を信じ込ませている。現在のところ、温暖化問題は疑似科学に近いと言っても過言ではないように思われる。

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