エネルギー貧困

 

石炭は、世界のエネルギーの約 30% を供給し、世界の炭素排出量の約 44% を生み出していると言われる。また世界のエネルギーは85%が石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料からなる(2018)。

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Fig. 1 World total primary energy supply by fuel, 2018 (Source: BP, 2019)

化石燃料の各国の消費量は下図のようにで、中国が圧倒的に多い。

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Fig.2 2017年の各国の化石燃料の使用量

石炭の消費量はかって化石燃料の50%を占めていたが現在は30%まで下がっている。石炭は燃焼発熱量あたりのCO2の発生量が多いためで、CO2発生量の少ない天然ガスに置き替わりつつある。

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Fig.3 化石燃料の消費量の変化

しかし、石炭の価格は低いが石油、天然ガスの価格は高い。

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Fig.4 原油、一般炭、天然ガスの価格の推移

下図は石炭の消費量と確認埋蔵量示したものである。石炭の埋蔵量は非常に多いのが分かる。また石炭は、石油と違って世界中に広く分布している。

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Fig.5 石炭の消費量と確認埋蔵量の比較

以上石炭は安く、偏りが小さく世界に広く分布する。この安い燃料を高いエネルギー源に変換することは、エネルギー価格が上昇することを意味する。世界中で約 12 億人が電気を利用できていない。28 億人が木炭、木材、またはその他のバイオマスを燃やして家の料理や暖房を行っている。エネルギー価格の高騰はさらにこのような「エネルギー貧困」を増すことになる。温暖化を科学的な証拠がない CO2 の増加のせいだと決めつけて政策を実施するのは如何なものだろうか

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Fig.6 エネルギー貧困の分布

下図は参考のために、日本のエネルギー源の変遷を福島原発事故前後で示す。

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Fig.7 日本のエネルギー源の変遷

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